⻭の移植(自家⻭牙移植)Self-implantation
虫⻭や⻭周病で失った⻭を補うには、どのような方法があるかご存知ですか?
一般的には、入れ⻭やブリッジ・インプラントなどを思い浮かべる方が多いのではないかとと思います。
確かに上の3つは一般的にも認知されている治療で、⻭を失った際に多くの方がいずれかの方法で治療を行うこととなります。

実はもう一つ治療法があるのをご存知でしょうか!それは、「自家⻭牙移植」と言う治療方法です。
簡単に言うと、自分の親知らずを⻭を抜いたところに移植する治療法となります。
親知らずとは前⻭から数えて 8 番目の 1 番奥の⻭になります。

本来、親知らずは、なくても問題がない⻭のため、抜いたとしても噛み合わせやお口の中にデメリットが生じるものではありません。
また、自分の⻭を移植するため「生体親和性がよく適応しやすい」と言う点が、⻭牙移植の大きなメリットとなります。しかし、どんな方でもできる訳ではなく、親知らずの形や大きさ・お口全体の状態によってはで移植がきない場合もあるので、精密な検査をして確認する必要があります。

自家⻭牙移植について
⻭の自家移植は、⻭科手術の一種で、自身の⻭を他の⻭の位置に移植することを指します。
通常、自家移植は他の治療法が不可能な場合に行われることが多く、以下のような状況で手術の検討を行います。
- ⻭の欠損
⻭が抜けたり、損傷したりして、その部位に⻭が必要な場合、他の場所から⻭を移植することが検討されます。 - 成⻑中の⻭
まだ成⻑中の⻭を他の場所に移植することがあります。
例えば、親知らず(智⻭)が他の⻭に影響を与えて抜かれる際に、他の場所に移植することができます - ⻭の形態の改善
⻭の形状や位置を改善するために、既存の⻭を別の場所に移植することが考慮されることがあります。
自家移植は、慎重に計画され、実行しなければなりません。
まず、移植元の⻭を選定し、適切な手術を行って⻭を取り外します。
その後、移植先の⻭床に⻭を配置し、固定するために骨組織や周囲の組織を整えます。
手術後、患者は適切なケアを受け、移植された⻭がしっかりと癒合するのを待ちます。
移植のメリット
- しっかり噛める
自分の⻭を移植するため、入れ⻭などと違って違和感が出ることはありません。
移植した⻭にしっかり骨がくっつき安定したら痛みや違和感なく噛むことができます。 - 保険適用
⻭の移植は保険適用のため大体3割負担で6,000円前後で移植することができます。
移植のデメリット
- 成功しない場合がある
難易度が高い治療のため、100%成功する訳ではありません。
移植に成功したとしても骨とくっつかないケースもあります。 - 時間がかかる
虫⻭や⻭周病などが原因で抜⻭をしなければいけない場合、その⻭を抜いた直後(当日)に親知らずの移植を行います。
移植した⻭に骨がくっつくまで個人差はありますが、約3ヶ月前後かかります。
⻭を抜いてしまうと、その際に神経は死んでしまうため、感染リスクや⻭根破折のリスクを避けるために根管治療が必要になるため、骨が安定してきたら神経を抜き、根管治療を行なっていきます。
根管治療には、約2回〜4回の通院が必要になります。

Q&A
抜いた⻭はどこの部分にも移植できますか?
抜いた⻭の根と移植する場所の幅が合えば基本的にどこでも移植は可能ですが、一般的には奥⻭に移植することが多いです。
事前に精密な検査と診断が必要です。
親知らずを移植した場合の寿命や生存率はどれくらいですか?
移植した⻭の生存率は一般的に約5〜10年と言われています。
通常の天然⻭と違い一生持つ訳ではありません。
少しでも移植した⻭の寿命を伸ばすためには、定期的なメンテナンスを受けていただく必要があります。
⻭牙移植では、リスクや合併症などの可能性はありますか?
⻭牙移植にはリスクが伴います。
一般的なリスクとしては、感染症、⻭の移植失敗、⻭の神経損傷、炎症、出血などが挙げられます。
また、移植先の⻭が再び問題を引き起こす可能性もあります。
リスクを回避するためにも精密な検査と診断を徹底しています。
⻭牙移植後のケアはどのように行われますか?
⻭牙移植後は、口腔内の衛生面に特別な注意を払う必要があります。
適切な⻭磨きやうがい、食事制限などを行うことが重要です。
また、適切なフォローアップが必要となり、定期的にメインテナンスで通っていただく必要があります。
移植手術にかかる時間はどれくらいですか?
口腔内の状況に左右されますので一概には言えませんが、概ね60~90分程度が目安となります。
検査・診断を終えた際に、概ねかかる時間や注意点等はご説明させて頂いております。