歯の豆知識Tooth Knowledge
2023.10.26「口育(こういく)」で健康な人生を
皆さんは、「口育(こういく)」という言葉を聞いた事がありますか?
口育とは、文字どおり「お 口 を育てること」を意味します。
お口の機能である呼吸や嚥下の正常な発達を促して歯並びや姿勢を正し、自信の持てる笑顔を作ること。
本来持っている学習や運動に関する発達能力の正常な発達を促し、おじいちゃん、おばあちゃんになっても、食べる能力を維持し、自分の人生に誇りを持てるようにすること。
これらが「口育」になります。
近年注目されているキーワードに、「口腔機能発達不全症」というものがあります。
これは、生まれつきの病気がないにもかかわらず、食べる、話す、呼吸するなどの機能が十分に発達していない、もしくは正常な機能を得られていない状態をさします。
2018 年に、新たな病名として制定されたばか りなので、あまり聞きなれない方もいらっしゃるかもしれません。
口腔機能発達不全症の症状としては、以下のようなことが挙げられます。
・歯列不正
・不正な顎顔面の成長
・口呼吸 ・食機能の低下
(なかなか飲み込めない、片側でばかり噛むなど) ・閉鎖性呼吸障害 ・睡眠障害(鼻がつまっていないのにいびきをかくなど)
これらを予防するためには、新生児期の赤ちゃんの頃から呼吸、嚥下の正常な発達を促進することが 大切です。具体的には、
・口周りの筋肉を鍛えて口呼吸を予防・改善する ・よく噛んで食べる
・飲み込む力を鍛える
などのことが挙げられます。
舌を中心とした口腔周囲筋の機能的発達が不十分な場合、老年期には口腔機能が低下し、やがて自ら の力で食事をすることができなくなってしまいます。
口育は人生の「始まり」から「終わり」までを、人間らしく生きるための機能予防管理術なので す。
当院には、口育について十分な知識をもつ「口育士」に認定されている歯科医師・歯科医衛生士が 在籍しています。口育士とは、日本口育協会により認定される資格制度です。お口の機能の発達不 全を予防し、正しい呼吸、正しい嚥下の発達をサポートします。
ちょっと難しいお話でしたが、「口育」について知っていただけましたでしょうか。
赤ちゃんの時 からの口育についてもっと詳しく聞いてみたい方は、是非お気軽にご相談ください。
当院の口育士がお話しさせていただきます。